ユニクロの2011「暖パン。」の商品キャラクター 福藤豊

福藤豊のインタビュー「特別なシーズン、特別な一勝」
「アジアリーグ最優秀ゴールキーパー」「日本人唯一の全米プロリーグNHLプレーヤー」「グラビアもこなすイケメンアスリート」。福藤豊(ふくふじ ゆたか)を形容する言葉は多い。しかし、彼よりもホッケーに対し情熱を傾け、そして勝利に大して努力をし続ける選手はいないだろう。

釧路で小学校3年生からアイスホッケーを始め、釧路景雲中時代に全国優勝を果たす。その後東北高等学校に進み、U-18世界選手権・世界ジュニア選手権への出場のみならず、高校生で初の日本代表入りも果たした。2001年にコクドに入団後、アメリカに渡り、2004年にはロサンゼルス・キングスにて世界最高のリーグであるNHLに日本人で初めて出場した。2010-11シーズンよりH.C.栃木日光アイスバックスに入団。2010-11シーズンリーグベストゴールキーパー賞と最優秀セーブ率GK賞の2冠を受賞。

ホッケーって90パーセントぐらいメンタルだと思っている

福藤豊のインタビュー「特別なシーズン、特別な一勝」

──7年ぶりの日本復帰、個人としては結果を出しました。

【福藤豊】そうですね。ベストセーブ率、ベストGKをいただきました。でもチームが勝てなかったのでホントに悔しさが残ったシーズンでした。

──受けたシュートの数がすごかったですね。

【福藤豊】はい(笑)。でも、どういう試合でも集中力を切らさないでプレーできたと思います。自分自身若い頃にはシーズン途中で集中力が欠けてしまう部分もあったので、そういう意味ではシーズン通して集中できましたね。そして責任感、精神力という点でもすごく成長できたと思います。

──1試合平均37本だそうです。

【福藤豊】シュートを受けることに関しては、アメリカでプレーしていたときは年間80試合くらいありましたし、受けたシュートは多かったと思いますけど。でも、これだけ短いシーズンで、これだけ少ない試合の中で一試合平均してあれだけ受けたのは初めてだと思います。でもやっぱりそれが僕の仕事ですし、それに関しては何も感じませんでしたが、やっぱりバックスで試合をしていく中で、失点されるタイミングというか、そういうのはすごく気をつけていたと思いますね。試合開始5分、10分、勝っている時であれば、追い上げられて終わる試合が多かったので、そこでの同点、逆転の失点はしないっていう事に特に集中していました。勝っていても決して気は抜けなかったし、負けている試合の方がバックスって『追いつこう、追いつこう』という気持ちを前面に出す選手が多いような気がしていたので。

──接戦が多かったですね。

【福藤豊】そうですね、簡単な試合はなかったと思います。勝っていても、もちろん気が抜けませんでした。アイスホッケーはそういうスポーツですからね。10秒あれば得点が決まってしまうスポーツですし、何があるかわかりませんから。

──霧降アリーナのファンに徐々にプレースタイルが浸透していく感じがありました。

【福藤豊】よく、難しいシュートじゃなかったんじゃないかって、観戦してくれているファンの方々に思われているみたいですけれど、止める前にやはり努力しているんで、止めるときには簡単にとりたいっていうか(笑)。シュートが来てもがくのではなくて、その前にもがいて簡単にシュートをとりたいっていうのが僕の信念というかスタイルなので。

──でも、かなり気持ちの強いタイプですよね。

【福藤豊】アジアリーグとか、トップのレベルに来れば、いいプレーが出来て当たり前なんです。ホッケーって90パーセントぐらいメンタルだと思っています。

──キーパーも90パーセント?

【福藤豊】そうですね、90パーセント以上がメンタルだと思うんです。良いプレー、安定したプレーのためには強い気持ちを持っていないと練習したことも活かせないし、気持ちの準備というのはすごく大事にしています。常に一定の気持ちで試合に臨むようにしています。だから試合になれば決まった動きしかしないですし、試合前のウォームアップでも決まったことをすることで、自分の冷静さとか気持ちを高める事ができると思います。相当、気持ちは入っています。それを出さないだけで。

こんなに1勝に重みのあるチームって他にないと思う

福藤豊のインタビュー「特別なシーズン、特別な一勝」

──日光の街は気に入りましたか?

【福藤豊】暮らしやすいですからね。僕、あんまり外食しないんですよ。家で食べるのが一番好きなんで。でも、『すずき食堂』とかには行きます。あと、『ききょう』って店があるんですけど、そこのカツ重がすごく美味しくて、最近はよく行っています。でも、日光の素晴らしさはやっぱり自然じゃないですかね。クルマを運転するのが好きなので、奥さんと犬を連れて散歩がてらドライブしたり。

──さて、来シーズンのことです。やっぱり震災もあって特別なシーズンになりそうですね。

【福藤豊】そうですね、もちろんいつもとは違った気持ちで迎えることになると思うんですけど。このあいだ千葉でチャリティーイベントの試合をしましたが、そういう活動にも取り組んでいます。アイスホッケーだからできる事も多いと思うので、かなり重要なシーズンになると思います。

──日本のチームに在籍している重みってありますよね。

【福藤豊】そうですね、アメリカでプレーしていたらこんなに強く意識できなかったかもしれません。ホッケーをできないで苦しんでいる人もいると思いますし。東北高校の時の先生にも仙台の被害の様子も聞きましたし、少しでも力になれたらいいなって思いますけどね。だから、ただ試合するのではなくて、少しでも被災地の方々のためにできることを試合の中でやっていけたらと思います。それが僕たちの義務だとも思いますし。

──来シーズンはどんな活躍を見せてくれますか?

【福藤豊】そうですね。バックスの1勝の意味はすごく大きいと思います。こんなに1勝に重みのあるチームって、他にないと思うんですよ。だから、今シーズンは絶対に勝たなきゃなって思います。かなり気持ちの入ったシーズンになると思います。選手ひとりひとりが思っていれば必ずできる事だと思うし、やってやろうって気持ちが強いですね。

<プロフィール>福藤 豊(ふくふじ ゆたか)
■背番号:44 ■ポジション:GK ■生年月日:1982.09.17 ■身長:185cm ■体重:83kg
■経歴:釧路・景雲中-東北高-コクド-シンシナティ・サイクロンズ(ECHL)ーマンチェスター・モナークス(AHL)ーロサンゼルス・キングス(NHL)ーベーカーズフィールド・コンドルス(ECHL)ーデスティル・トラッパーズ(NED)
■代表歴:世界選手権代表 4回/世界ジュニア選手権代表 3回