H.C.栃木日光アイスバックスは、本日栃木県庁 県政記者にて会見を開催し、春名 真仁選手が
今シーズン限りで、現役を引退することが決定しましたので、お知らせ致します。

春名選手は湖陵高校を卒業後、早稲田大学に進学。1996年古河電工に入部し、2003-2004シーズンには
北米独立リーグ・QCマラーズでプレーをし、2004-2005シーズンよりアイスバックスに復帰、アジアリーグ
デビューを飾りました。

その後、2006-2007シーズンに王子イーグルスへ移籍し、2007-2008、2011-2012シーズンと同チームを
2度もアジアリーグ制覇へ導きました。また、昨年4月に開催された、2015IIHF世界選手権大会日本代表に
選出されました。
2015-2016シーズンは、10シーズンぶりにバックスに復帰となり、数多くの優勝経験を始め豊富なキャリアを
活かし、15試合に出場し、リーグ最年長完封勝利を収めるなど、安定感のあるプレーでチームを4シーズン
ぶりのプレーオフ進出へ貢献しました。また、GKとして最多となる、日本国内トップリーグ450試合出場も
達成しました。

なお、春名選手の今後については、未定となります。
春名選手のプロフィール詳細は、下記の通りになります。

春名 真仁(はるな まさひと)
haruna④小
■背番号:  61
■ポジション:GK
■生年月日: 1973年7月16日
■身長/体重: 184cm/78kg
■経歴:   釧路・鶴野中学→釧路・鳥取西中学-釧路・湖陵高校→
       早稲田大学→古河電工-アイスバックス→QCマラーズ(アメリカ)→
       アイスバックス→王子イーグルス
■代表歴:  世界選手権代表       12回
       オリンピック予選代表    3回
       冬季アジア大会代表     4回
       ユニバーシアード代表    3回

■春名選手コメント:
今シーズンをもちまして引退することを決意いたしました。
20年にわたり応援していただいたファンの皆様、スポンサーの皆様、チームスタッフ、一緒に戦った
チームメート、身体のケアをして頂いたドクターやトレーナー、リーグ関係者の皆様、関わって頂いた
全ての方々に心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
プロとしてのキャリアをスタートさせた日光で現役生活を終えたことに特別な縁を感じるとともに、
とても幸せに思います。
今シーズンも試合の厳しい状況で追いついたり、逆転したりするたび霧降の応援の力を改めて感じました。
シーズン始めに温かく迎えて頂いて春名コールを貰ったことは本当に嬉しかったです。
またこの場をお借りして9年間在籍した王子時代に応援して頂いたファンの皆様と関係者にも感謝
申し上げます。今、引退を決めてとても晴れやかな気持ちです。とても幸せなホッケー人生でした。
これからもアイスバックスと日本のアイスホッケー界に対するサポート、応援をよろしくお願いいたします。
本当にありがとうございました。
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<質疑応答>
Q1、20年という早さは感じましたか?
今思うと、あっと言う間でしたが、一年一年戦ってきて、今昔の自分のプレーを見ると、レベルが足りない
部分もあり、簡単にレベルアップしてきたわけではありません。20年先までプレーができると思っていなかった
ので、早かったと思いますが、20年よくやれたと思います。

Q2、引退を決意して、さみしさはありますか?
今は実感がないが、来シーズン選手のプレーを見たら、もうこの場に立てないと思えば、さみしさが
こみあげてくると思います。
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Q3、春名選手にとってのアイスバックスというチームはどのようなものですか?
僕がプロキャリアをスタートさせた日光のチームで、当初は実業団選手として会社に戻る選択肢を持ちながら、
アイスホッケーキャリアをスタートさせましたが、アイスバックスで、本当の意味で、プロ選手になれたと
思いますし、生活を変えて、ホッケーを生業にしていくという決断をさせてくれたチームなので、僕にとって、
重要なチームですし、このチームでプレーできたことは、誇りに思います。日本一のファンがついているので、
そのような環境でプレーすることができたのは、幸せです。
プロになって、一年一年ホッケーを生業にしていく中で、ただ自分のためや、会社のためというよりは、
ファンやスポンサー、サポートしてくれる人のために戦うことが大事だと認識しました。そういった人達の
支えでホッケーができているという事が、今年戻ってきて、もう一度確認しました。

Q4、今シーズンを振返って
僕のプレーがチームの役に立てたかは分からないが、ファンの皆さんに後押ししてもらい、僕自身が不甲斐ない
試合でも、勝たせてもらったり、ファンの力をすごく感じました。
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Q5、若い選手へ伝えてきたこと
僕自身あまり、若い選手にアドバイスしたり、選手を鼓舞するようなことを言うタイプではないのですが、
GKに関しては、一緒に技術を高め合うことはやってきたと思います。キーパーとして、お互いを高め合って、
ゲームで結果を出すために、試合に出ないときは、しっかりサポートすることをして、教えるというよりは、
一緒に戦ってきました。

Q6、引退を決断した理由、一番の思い出
シーズン通して見て、自分の理想通りのプレーが中々出来なくなってきていると感じました。急激に
パフォーマンスが落ちたということではないですが、少しずつ、昔は取れていたのではないかという
シーンが、ゲームだけではなく、練習でも増えた気がしました。そんな中で、数字も残せなかったのが、
引退を決断した一番の理由です。
一番の思い出に残っていることは、一年目の古河電工で新横浜でのコクド戦での、オーバータイムで勝った、
初勝利の試合です。何とか凌いで、残り1分ぐらいで、すごい攻められた後に、昨年亡くなられた、
高橋淳一選手が最後オーバータイムゴールを決めてくれて、入江さんと、高橋さんの背中が未だに
目に焼き付いています。ホッとして、初めて勝ったのが記憶に残っています。
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Q7、今後について
現時点で具体的に決まっていることはありませんが、じっくり考えて決めたいと思います。
特にGKの育成に関しては、少しでも携わっていきたいと考えています。国内でGKの育成が進んでいない
部分もあるので、全国をみて、ジュニア世代や、代表ジュニアの育成に携われればと考えています。
(土田TD)
何度か話し合いの場は持っていますが、まずは、本人の意向を尊重したいと思っています。我々にとって、
アイスバックスの春名、日光でキャリアを始め、日光でキャリアを終えた春名という思いはあります。
アイスホッケー界の中では、日本を代表する選手であり、日本を代表する春名でもあるので、彼が
日本アイスホッケー界のGKを育てていきたいという思いがあれば、それをチームとしても力いっぱい
応援していきたいと思います。
もちろんアイスバックス及び、栃木県の子供達に対して、思う存分活躍してもらえたらと思っています。

Q8、現在のアイスホッケー界について
僕が、日本リーグに入った時よりも、現時点で日本のアイスホッケーチーム数が減っていますし、僕が入るより
前は、もっと盛り上がっていたと聞いています。今の現状は、ホッケー選手として、さみしくもあり、危機感を
抱いています。競技人口が減少しているなど、色々な理由があるとは思いますが、いかにアイスホッケーを
してくれる子供を増やすかと根本的な問題があります。そういう面を克服することももちろんですが、代表の
活躍が重要になってくると思います。ソチ五輪で女子アイスホッケーが出場しましたが、男子も厳しい道では
ありますが、選手には、諦めずに、いつか五輪出場をという目標をしっかり持って、戦って欲しいです。
そのためにも、メディアの皆さんのお力もかりて、盛り上がってほしいです。
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Q9、春名選手にとってアイスホッケーの魅力とは?
プレーする魅力を感じて、他の選手から「春名そんなにホッケー好きだったけ?」とよく言われますが、
自分でも分からないうちに、GKのはまっていました。GKを通じて、自分で目標を設定して、自分が
動きたいように動けるようにする、自分の体を理想の動きに持って行く楽しさが、GKの中にあったので、
魅力だと思います。いかに抑制して、体を自分の理想の動きに近付けるかというのが、課題でもあったし、
できた時の喜びでもありました。アイスホッケーは、球技の中で一番スピードの速くて、システムの縛られ
すぎず、ある程度、選手に自由があり、創造力が見れる、当たりの激しさなどの要素もあり、トータルで
他のスポーツのいいところを集めた競技だと思います。

Q10、これからのアイスバックスに期待すること
力は付いてきていると思います。昨シーズン外からバックスを見ている時、非常にやりにくい相手でしたし、
今シーズン後ろから見ていて、練習を見ていて、以前いたチームとそんなに差を感じませんでした。あとは、
自信を持つことと、韓国、ロシアのチームが強いので、外国人にも当たり負けしない体を作って、日本人の
特徴であるスピードを強化していけば、勝負はできると思います。

Q11、ファンの皆さんにメッセージ
感謝の言葉しかないですし、苦しい時、厳しい時に、あれだけの声援を頂き、選手はパワーがでました。
これからも、アイスバックスをよろしくお願いしますとお伝えしたいです。
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